椎間板ヘルニアや変形性疾患と診断された方へ
あなたの病態は『腰痛』とは無関係です。

現在の日本では腰痛を訴えて専門医に受診されると、約100パーセントの確率でレントゲン(X線)を撮影しましょうと言うことになります。
しかし、世界と比べると誰にでもレントゲン撮影するのは、日本だけなのです。


現在、世界では腰痛に対してガイドラインを作成しております。1994年アメリカにてオーストリア・ベルギー・デンマーク・フィンランド・フランス・ドイツ・イスラエル・イタリア・オランダ・ノルウェー・スペイン・スウェーデン・スイス・イギリスの14カ国から選抜された専門化が作成に携わりました。


このガイドラインで最も信頼性の高いのが一番新しいヨーロッパガイドラインになります。

その研究でVolvo賞(ボルボ賞)を受賞した研究を記載します。

椎間板変性は遺伝

研究対象と方法
 物理的因子が一致しない男性の一卵性双生児115組を対象に、詳細なアンケートとMRI撮影で椎間板変性の危険因子を調査しました。

結果
 椎間板変性は、仕事やレジャーによる身体的負担、車の運転、喫煙週間よりも、遺伝的因子の影響が強く受けている結果が出ました。


椎間板ヘルニアの研究

研究対象と方法
 強い症状を訴える椎間板ヘルニア患者46名と、年齢、性別、職業などを一致させた健常者46名の腰部椎間板をMRIで撮影し、内容を知らない2名の神経放射線医が読影。また、事前に心理社会的側面を探るためアンケートを実施。

結果
 健常者の76%に椎間板ヘルニアが、85%に椎間板変性が認められる。

MRI所見
 両群間にヘルニアのタイプに差はない。

心理社会的側面
 職業上の問題(心理的ストレス、集中力、満足度、失業)が危険因子。
 
 心理社会的因子(不安、抑うつ、欲求不満、夫婦関係)が危険因子。

以下に健常者のみのグラフを記載する。


 このように痛みのない方のMRI結果を見ると、ヘルニアや変性を起している方が非常に多く、正常の方がまれです。この結果から、椎間板ヘルニアや椎間板変性が腰痛になるという日本の常識はくつがえされます。

 そして、心理的因子の方が因果関係があった結果が非常に興味深いのです。

 そう考えると、同じ仕事をしていても、自分は腰痛であるが、となりの人は腰痛でないことの説明が出来ます。原因はご自身の中に存在するのです。その原因を早期に解決することにより、腰痛の発症は抑えられるでしょう。


老化現象で腰が痛いなら、高齢者はみんな腰痛です。
 椎間板の変性も変形性疾患(骨棘)も年齢を重ねることにより起こる老化現象です。下のグラフは老化現象と腰痛発症を比較したものです。緑色の円柱は椎間板変性、赤色の円柱は骨棘形成、赤の棒グラフは腰痛の初発年齢、青の棒グラフは腰痛の保有率です。
 
 このように老化現象である椎間板変性と骨棘形成は右肩上がりに伸びています。ところが腰痛の発症率と保有率は30代、40代がピークでそれ以降は下降しています。腰痛が老化現象であるならば、右肩上がりになるはずです。つまり、老化現象と腰痛には因果関係がないことが、このグラフから分かります。


 

 
 

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